夜間はまだまだ寒さ厳しく、普通に氷点下10℃を割り込むが、日中の気温に春の近づいていることが感じられるようになってきた。
今日などは特に、眩しい陽光が降り注いだこともあって、景色だけではなく気分も明るくされた感がある。
気象計のデータは0℃に届かず、依然として真冬日が続いているものの、玄関前の柱に据えつけた寒暖計は3℃ほどまで上がっており、こちらの方が実感に即しているようだ。
実際、先の寒波のもたらした吹雪が吹き込んで凍結し、鎧戸が二枚の内一枚しか収納できなくなっていた戸袋も、今日の陽射しに暖められて中の氷雪が融け、十日ぶりに鎧戸を全開にすることができた。
その外には兎の足跡。
昨日、白菜の芯を雪の上に投げて置いたので、もしかしたらこれを――と思ったが、足跡はそのすぐ横を通り過ぎて遠ざかっていた。
人を頼るようになってはいけないとはわかっているけれども、些か寂しい。