蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

長岡への小旅行

所用ができて、新潟県長岡市へ行った。

 

何の変哲もない一件なのだが、個人的には久しぶりの遠出でなかなか面白かったので、ここにその顛末を記しておこうと思う。

 

20230221-長岡への小旅行

 


それは決して大きな負担を強いられる性質の用事ではなかったものの、当方から長岡までの距離は200km強、400kmを超える距離を車で往復するとなると、これに労力を取られて要らぬ過ちを犯す恐れを否定できないので、鉄道を利用することにした。

 

しかしながら、路線的にかなりの遠回りとなるため、新幹線を含む特急を使っても片道3時間半から4時間もかかってしまう。

 

それならいっそのこと、特急料金を宿泊費に回して前日に普通列車でのんびり先方へ向かい、一泊して用事を済まてもよさそうだ。

 


それに、考えてみれば旅行という言葉に合致するようなことはもう10年以上したことがなく、久しぶりにこの情趣を味わうのも悪くない――という考えに至り、この手段を採ることにした。

 

もっとも、あちこち見て歩く観光を企てては心身共に少なからぬ疲労を来たすので、今般は見合わせ、あくまで車窓からの風景を愉しむだけの、鉄道ファン的な旅行となるのは致し方ない。

 

しかしこれはこれで決して不満はないのである。

 

 

 

 


そんなわけで、長岡へは夕方から宵に到着するよう、家を出るのもあまり早くない時間帯とした。

 

普通列車の利用なので、事前に指定券を手配する必要はない――というかできない。

 

一方の宿泊については、この時季に宿なしで一夜を明かすのは絶対にいただけないので、しっかり確保することに。

 

その際、コロナウィルスの蔓延による自粛・行動制限で落ち込んだ旅行需要を盛り返すべく実施された「Go To Travel」の第二弾らしい、「全国旅行支援」なるものが実施されていることを知った。

 

はじめはその利用の仕方がどうもはっきりしなかったのだけれど、色々見ている内、特別な手続きは必要なく、キャンペーンに対応している旅行サイト等を通じて、全国旅行支援による割引対象施設などを利用すればいいようで、今般は楽天トラベルから宿泊費が20%オフなっているホテルに予約を入れて準備は完了である。

 

ただ、チェックインの際にコロナウィルスワクチンの接種済証の提示を求められ、この持参を忘れると支援を受けられないとのことなので要注意。

 


当日はちょっとした都合が生じて、車で松本まで行き、ここから鉄道を使うこととなったのだが、走行距離にして70kmほど、こちらも高速道路を使ってもさほど時間短縮にはならないこともあり、どうせなら鈍行を徹底しようと一般道を辿った。

 

そしてほぼ目論見通り、正午に到着。

 

当初、昼食は弁当でも買って列車内で摂ろうかと考えたのだけれど、今の世情からして周囲に人のいる中でマスクを外すのはどうかと思い直し、時間もあることだし良い店でも――といってもそれを速やかに見つける嗅覚を遺憾ながら持ち合わせていないので、取り敢えず弁当は買い、適当な場所があればそこで済ませ、なければ仕方ない、その時は列車に乗ってから――ということにした。

 

食が旅の大きな楽しみの一つであることを否定する気はないものの、安易に駅弁などに走るのも芸がない――などとどうでもいいことを考えながら、駅前のビルに何気なく入ったところ、その地下階が長野県下にチェーンを展開し我が家の近く(といっても車で30分ほどかかる……)にもあるデリシアというスーパーになっており、そこにイートインスペースらしい空間も見えた。

 

対面にならないよう、また間隔も十分取ってテーブル・イスが配置されていたので不安はなく、そこに並んでいる弁当もなかなか美味そうだったので、馴染みの気安さもあってここで昼食を済ませてしまうことにし、中華弁当を飲み物と併せて購入。

 

結局、駅弁以上に芸のない選択となってしまったが、旅の途上の日常から離れた食事ということもあってか、なかなか美味だった。

 

これには食事場所という懸念が図らずも解消した幸甚も少し寄与したようだ。

 


こうして時間も適当に経過し、ちょうどよい時刻となったので、いよいよ旅の玄関口、駅へ足を踏み入れた……

 


(続く)