蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

トリオ(TRIO) KA-5300―その後

先に以下の記事において、トリオ(TRIO)のプリメインアンプKA-5300を水洗いして出力の不安定さはなくなったものの、バランスつまみ操作におけるガリが若干残り、これが気掛かりだ――と記したが、その懸念が現実のものとなってしまった。

 

lifeintateshina.hatenablog.com

 

他の機能がほぼ正常に機能しているのは勿論歓迎すべきことなのだが、それだけに普段は使用しないとは言えこのバランス調整の際に生じるガリがどうにも気になり、何とか解消、少なくとも改善したいと、折に触れて必要もないのにぐりぐりと回転させていたところ、それまで滑らかだった動きが突然崩れてガリガリとした感触へ変わり、その直後に全く動かなくなってしまったのである。

 


その時のつまみの位置はほぼ中央だったので、実用上大きな障害となるわけではない。

 

しかし藪をつついて蛇を出してしまった後悔で暫し呆然としてしまった。

 


が、こうなると却って開き直りの気持ちが心に沸き立ち、同軸のボリュームと合わせてつまみを外した上、荒業としてラジオペンチでバランス軸を回してみることにした。

 

当然、より中央へ近づく方へ、である。

 

すると、はじめは力を加減したため動かなかったが、徐々に強めるとわずかながら回り、こまでの感じからして、回転機構に異物が入り込んでしまったことは間違いなさそうだ。

 

 

 

 


これを除去するとなると、ボリューム・バランス部を本体から分離しての完全分解という大手術が必要と予想され、そもそもそれが可能か否かも定かでない。

 

他に代替策はないだろうか――と思案しているうち、ふと思いついたのは、潤滑剤の噴霧という手段だった。

 

入り込んだのが金属片のようなものの場合は駄目だろうが、溶解性の異物なら効果があるかもしれない。

 

そこで早速、手元にあるKURE(クレ)556を、ボリューム・バランス機能の心臓部である可変抵抗へは入らないよう注意して回転部へ噴き掛けてみた。

 

そして待つこと数分、再びラジオペンチで回してみると、まだ固いながら先ほどよりは確かに良くなっていたので、これに力を得て何度か同じ手順を繰り返したところ、以前のスムーズな操作感へと復旧することができた。

 

20230511-トリオ(TRIO) KA-5300―その後

 


が、やれやれと思いながらも気分よく組み上げにかかったのはいいが、何とここでまた新たな問題の出来である。

 

先般、ラジオペンチで軸を回す際には、養生としてウェスを噛ませてはいたものの、かなり力を加えたため接合部が潰れてしまい、つまみを嵌め込むとぐらつきが出てしまうのだ。

 

金属の接着剤を使えばこれは治められる一方、以後取り外す際に面倒となる。

 

とにかくぐらつきがなくなればよく、強い接着力は不要なので、接合部の隙間を埋めるように木工用ボンドを多めに塗ってみたところ、期待通りの効果を発揮してくれた。

 


さて、これで一件落着――と気分よく音楽を聴くこと数日、落着したのは正しく一件であることが判明、またしても右チャネルからの音が出なくなってしまったのである。

 

そもそも入手した時点においても同じ事象が出ており、その原因はヒューズ二つの断線であったことも既述した通りなので、再度天板を外してヒューズを確認してみたものの、今回は異常はない。

 

となると考えられるのは接触不良となり、これと、上に述べたバランス機能に対する処置により何らかの異物が軸の回転部から除かれたことを考え合わせると、それが可変抵抗部へ侵入してしまった可能性が自ずと頭に浮かんで来る。

 

それなら水洗いが有力な改善法、しかし重ねてこれを行うのは少々危険な気もするし、そもそも面倒、加えて、バランスつまみを安定させるために水性の木工用ボンドを使ったため、ここが水をかぶると軟化して駄目になる恐れもある。

 


そこでこれは最終手段にとっておくことにし、禁じ手と言われる接点復活剤を必要最小限に抑えて使ってみることにした。

 

その結果はというと、一時的に改善はみられるもののすぐまた無音へ――という鼬ごっこに陥り、必要最小限どころか復活剤浸け気味になってしまったことから、結局もう一度水洗いを実施した。

 


そうしてまたしっかりと乾燥を待った上で音出しをすると、右スピーカーからも正常に音が響き、懸念したバランスつまみのブレも出ていなかった。

 


しかしこれから先も安定して使えるかどうかは、予断を許しそうもない。

 

この心配不安が単なる取り越し苦労であることを祈りたいところだ。