蓼科高原日記

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テクニクスSU-8055その後―ガリの悪化と新たな問題

中古で入手し、酷いガリをはじめとする出音不良の見られたTechnics(テクニクス)のプリメインアンプSU-8055に対し、水洗いという荒療治を施した結果、症状が改善して音楽再生に使用できるようになったことは既に述べた通りである。

 

が、僅かに残った音量調節時のガリも使っている内に消えるかもしれない――という期待は裏切られ、それどころかこのところ次第に顕著になってきた。

 

普段使用しない機能に付随するものなら、敢えて気にしないという手も一つかもしれないけれど、音楽を聴く際必ず行うボリューム操作でこれが出るとなるとなかなかそうはいかない。

 


そこで、些か安直ではあるものの、二匹目の泥鰌を狙って今一度水洗いを実施することにした。

 

20230328-テクニクスSU-8055の内部

 

本来なら分解清掃すべきところだろうが、同アンプに搭載されているのはそれのできないタイプのボリュームとの情報もあり、無理をしてこじらせては元も子もないし、何より成功を経験した方策という点は大きかったのである。

 


今回も丸三日、ファンヒーターやストーブの前に適度な距離を空けて置きながら十分に乾燥させた後、入出力両装置たるPCとスピーカーを接続して電源を入れると、無事通電。

 

次いでボリュームつまみを回したところ、ガリはすっかり消失――と言いたいところだが、実際は相変わらずこれを耳にすることとなった。

 

ただ、従来より確かに軽くはなってはいたので、試しにつまみを音量最小位置から半周ほど、何度かぐりぐり回してみたところ、徐々に弱まったことから、一旦電源を切った上、今度は全周に亘ってニ十回ほど動かし、その後で再確認した結果、今度はほぼ、ガリの消失を見ることができた。

 


今更ではあるが、仮にボリューム自体の分解はできなくとも、それをアンプ本体から取り外し、ボリューム単体に対して水洗いを行えば、洗剤の噴射もより細やかにできて高い洗浄効果が期待でき、かつ要らぬ事故の防止ともなるだろうことに気付いた。

 

もっとも、その取り外しに苦労するモデルもあるだろうから、不精な者にはなかなか、以後はこの方法で――と決心し難いのも本音である。

 

 

 

 


ともあれ、実用上の障害は取り除くことができ安堵したのだけれど、それも束の間、ふとしたことからまた別の問題を発見する羽目となった。

 

その顛末は以下の通りである。

 

ある時、機器の組み合わせを一時的に変えたあとで、SU-8055への入力ケーブルを繋ぎ忘れて電源を入れてしまった。

 

当方、音源機器としてはPCを利用しているので、果たしてこれをする意味があるのか否かは定かでないのだが、オーディオ機器の電源を入れる際はいつも、作法に則り上流(音源に近い方)から下流へと順を追っている。

 

今般PCとアンプを繋ぎ忘れた時もこの順を踏襲していたのだけれど、そもそも両者が繋がっていないのだから勿論まったく意味はない。

 

そこで両方の電源を一度切り、ケーブルを接続した上で再び電源をオン――という手順を踏むほど忠実(まめ)ではないので、まあ大丈夫だろうと電源の入ったままアンプのジャックにケーブルのプラグを挿した。

 

が、ボリュームつまみを回すと、ブーンという恰もハムノイズのような音が鳴り出し、つまみの操作に応じてそれが大きくなったり小さくなったりするのである。

 

これではとても音楽再生の用はなさないので、リセットの意味でまずアンプの電源のオン・オフを行ったものの駄目、次にアンプとPCとも電源再投入をしても奏功せず、さらにもしかしたらと電源コンセントへの挿し方を反対にしてみたものの、ノイズは消えなかった。

 


せっかくガリがなくなったというのに――と意気消沈し、ぼんやりとアンプを眺めている内、入力セレクターに目がいき、考えてみると使っているのはAUXだけということが頭に浮かぶと同時に、ふと、他の端子に繋いだらどうなるだろう――と、ノイズはさて置きチューナー端子へ挿し替えてみた。

 

そして何気なくボリュームを回し、ガリないと静かでよい――と思ったのはほかでもない、ノイズが全く聞こえなかったから――だった。

 


これに気をよくしていくつか試行した結果、先ず、元のAUX端子へ接続を戻してもノイズは出なくなっていた一方、テープ入力に繋ぐとやはり発生することが判明。

 

無論、これらの繋ぎ替えは電源を切った上で行い、電源投入は作法通り実施した。

 


こうして事象の起こる起こらないはある程度わかったのだが、肝心のその原因、および対処法については、機器を眺めても情報を探してもほとんど何も得られなかった。

 

しかし、取り敢えず通常の使用には問題ない状態にはあるので、当面は差し置いて鳴らしてみようと思う。