蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

車の異音―走行時、シャラシャラという摩擦音

半月ほど前、車を出そうとした際、シュルシュルといった草を巻き込んだような音が聞こえた。

 

実際、駐車スペースの端には雑草が蔓延っており、以前にも似たような経験をしているので、それほど気にはしなかったのだが、それがなかなか消えず、結局その日は出掛けて家に戻ってくるまで、ずっと鳴り続けた。

 

直進中はほとんど聞こえないものの、左折――とまで行かずとも、ハンドルを少しでも左に切ると如実に出るのが特徴で、さらに次第にやや金属的なシャラシャラという音色へと変わってきた。

 


ところが、その次に車を使った際は、発進と同時にかなり大きな、しかもガリガリという重い音が前輪付近から響いたため、念のため車を停め、下りて確認。

 

といっても外見で分かるわけもなく、ゆっくりと走らせているうちに静まっていった。

 


しかし、こうなると流石に無視してはおれず、例によってネットで同じような事例と原因、そしてできれば対処も、と調べたのだけれど、どうもぴったり当てはまるものは見出せなかった。

 

強いて言えば、ドライブシャフト・ブーツの劣化によるグリス漏れ、ブレーキパッドの摩耗か石噛みの可能性が否定できないかもしれない、といったくらいである。

 

もっとも、第一のケースとは音の質が若干異なり、他の二つについては音は確かに似ているものの、摩耗の可能性は昨年の12ヶ月点検時の残量と走行距離から考えにくく、さらにブレーキを踏んだ際には別段異常のない点が違っている。

 

となると、残るはブレーキパッドの石噛みで、なるほど、当初草と思ったのは実は小さな石で、巻き込んだそれが何かと擦れている可能性の高い気がしてきた。

 


その対処法としては、もちろん根本原因である巻き込んでしまった石を除去することになるわけだが、何か簡便な方法はないものかとさらに見ていったところ、車庫入れのため車を後退させたら、ガリッと一度大きな音がして取れた――との経験談が目に付いたので、これなら簡単至極、しかも重大な副作用もないだろう、と試しに真似てみることにした。

 

すると、明に「石が外れた」といった体感はなく、異音も相変わらずだったのだが、一旦停止し、再試行(何分、ほとんど車の通行のない道路なので……)した後には、耳を凝らさなければ聞こえないくらいに小さくなった。

 

これに気が軽くなり、要らぬちょっとしたドライブをしてしまった。

 

 

 

 


が、それから一週間を置き、また外出の用があって車を出したところ、先の改善は元の木阿弥、またあの音が耳に聞こえてきた。

 

やはり根本的診療が必要らしい、と認識して、ではどこで、と考えた時、丁度エンジンオイルの交換時期であることに思い至り、いつもそれを依頼している地元の「タイヤ館」へ行ってみることにした。

 

念のため電話を入れ、今日これから見てもらえるかと打診したところ、「諾」との返答を得たので、そもそもそのために出た用事を済ませた後、そこへ向かった。

 


まずは現状と経緯を一通り説明し、実際に運転して異音を確認してもらった後、いよいよ診療である。

 

その結果、石噛みではなく、ブレーキローターの裏側に設置されてブレーキ系統を保護しているバックプレートにちょっとした変形が生じており、これがほかの部位と干渉して異音を生じていることが判明。

 

幸い、交換を要するようなダメージではなかったため、工具でその変形を修正してもらい、治療も終了した。

 


エンジンオイルおよびエレメント交換と合わせ、さて請求金額は――と見たら、異音対応の費用が計上されていない。

 

それを尋ねると、「ちょっと歪みを直しただけですから、」とのこと。

 

仮にそれ自体は軽微な作業だとしても、上に書いた通り、そこに至るまでに少なからぬ手間暇を要しているわけで、大きな有難さを感じると同時に、心苦しさを禁じ得なかった。

 

当地へ移住して以来、夏冬のタイヤ調達および履き替え、エンジンオイル交換は常に依頼してきたが、引き続き末永く利用させて頂こうと思うショップである。

 


結構耳についていた音が消えたことと併せ、気分よく帰路を辿った。

 

20210930-タイヤ