蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

世界紀行文学全集11・中国I

本全集は、志賀直哉・佐藤春夫・川端康成・小林秀雄という錚々たる文筆家の監修の下、1950年代終わりから60年代初めにかけて修道社より出版されたものだが、売れ行きが思わしくなくすぐ絶版となったのか、出版社自体がなくなってしまったのか、ともかく一度巷から姿を消してしまった。

 

しかし、1979年、新たに井上靖が監修者として加わり、ほるぷ出版から再刊、この際、内容は基本的に前版が踏襲されたようで、ほとんど異同はないと思われる。

 

監修者のみならず、執筆者にもまた、各界の著名人がことごとく名を連ねており、日本人が海外へ恒常的に出かけ始めた時代の感性や精神が多様な形で記録されている、極めて貴重な書であることを鑑みれば、この再刊は実に喜ばしい。

 

それだけにまた、非常に読み応えもあるわけだが、にもかかわらず――というより、ゆえにこそと言うべきか、この時もまた版を重ねるには至らなかったようで、遺憾ながら現在は古書でしか入手することができない。

 

 

 

 


この全集の存在を知ってから、私は定期的に古書情報の確認を行い、間もなく何度か入手の機会に出会ったのだけれど、書籍の状態と価格との折り合いが付かず、いずれもそれを逃してしまった後は、相見えることのない期間がしばらく続いた。

 

数年を経て、全二十一巻中十巻のみのバラ売り品を目にし、今後いつ出るかもわからないし、価格も確か一冊200円と手頃だったので、これを購入した。

 

地域の図書館にも所蔵されていることから、抜けの巻はそこで読めばよいとの気持ちもあった。

 

ところが、それからまた2年ほど経った時、何気なくネットでこの全集について検索したところ、非常に状態の良い全巻セットが、極めて安価に出品されているのを目にし、これも一種の縁に違いない――と急に食指が動いて購入してしまった。

 

いずれもほるぷ社の再刊版である。

 

本全集第11巻・中国Iは、バラで買った際には抜けていたもので、それを今回読んだわけだが、社会の状況も私個人の情勢も、なかなか旅行することを許容してくれない現在、とてもいい慰めになってくれた。

 

世界紀行文学全集11・中国I

 

さらに、この先当分、その愉しみが残っている――そう思うだけでも、結構幸せな気分である。

 

 

昨夜また降り出した雪は朝には止んでおり、さほど積もりはしなかった。

 

日中の最高気温は4℃台。

 

冬至から既に一月経って日が長くなったのに加え、太陽が高く上がるようになったことで日照の有効断面積も大きくなったためだろう、今日などは防寒着なしで外を歩いても少し汗ばむほどだった。

 

屋根から落ち溜まった雪が約1m。

 

屋根から落ち溜まった雪

 

これを見ると、今冬は多雪と言うべきかもしれない。

 

この雪が完全に姿を消すのは、恐らく6月だろう。

 

 

 

 

 

今日聴いたのは、Hank Mobleyの「Roll Call」のみ。

 

Mozartの誕生日なので、この天才の作品も――と思ったのだが、その時間が取れなかった。

 

もっとも、現地時間を考えれば、明日でもよいわけだ。

 

01. Roll Call
02. My Groove Your Move
03. Take Your Pick
04. A Baptist Beat
05. The More I See You
06. The Breakdown

 

Roll Call