蓼科高原日記|ささやかな山暮らし

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Victor A-X900の仕様とサウンド・インプレッション

Victorのプリメインアンプ「A-X900」は、先にご紹介した通り1983年に発売された古い製品のため、メーカーによる公式情報などをネット上に見つけることはできなかった。

 

lifeintateshina.hatenablog.com

 

しかし、次のページに、この機種に取り入れられた技術、および主な仕様が記載されているので、それらを参照させて頂いた上で、ここでも少しご紹介したいと思う。

 

https://audio-heritage.jp/VICTOR/amp/a-x900.html

http://knisi2001.web.fc2.com/a-x900.html

 


まず、A-X900の土台となっているのは、「Gmサーキット(電圧・電流変換増幅方式)」なる技術で、これは、本来は電流増幅素子であるトランジスターを電圧増幅にも利用可能ならしめるものらしい。

 

Gmが何の略なのかが分かれば、もう少しはっきりするのだけれど、遺憾ながらそれを見出すことはできなかった(少なくともGood morningに由来するものではないだろう)。

 

そして、このGmサーキットに立脚する形で、プリアンプ部の音量調節機能としてのGmボリュームおよびGmセレクターが高S/N比を、同じく電圧増幅段のGmドライバーがHiFi(高忠実度)再生を実現。

 

さらにGmドライバーがパワーアンプ部のダイナミック・スーパーAと協働することで、大きな出力を得る機構になっているようだ。

 


ここで、上に関係すると思われるA-X900の主な仕様を挙げると、次の通りである。

 

S/N比:110dB(DAD、Tuner、Aux、Tape)
全高調波歪率:0.003%(実効出力時、20Hz~20kHz、8Ω負荷、DAD, Tuner, Aux, Tape)
混変調歪率:0.001%(実効出力時、8Ω負荷、DAD, Tuner, Aux, Tape、60Hz:7kHz=4:1)
実効出力:150W+150W(20Hz~20kHz、8Ω負荷)

 

さらに比較のため、3年後の1986年に発売されて798戦争に火をつけた二機種、「SANSUI AU-α607」「SONY TA-F333ESX」についても数値を記してみよう。

 

・SANSUI AU-α607
SN比:110dB以上(1W時、Tuner, Line, CD)
全高調波歪率:0.003%以下(実効出力時、8Ω負荷)
混変調歪率:0.003%以下(8Ω負荷)
実効出力:90W+90W(10Hz~20kHz、8Ω負荷)

 

・SONY TA-F333ESX
SN比:105dB(CD, Tuner, AUX, Tape)
高調波歪率:0.002%以下(10W出力時、8Ω負荷)
混変調歪率:0.004%以下(定格出力時、8Ω負荷、60Hz:7kHz=4:1)
実効出力:105W+105W(20Hz~20kHz、8Ω負荷)

 

これらの値がどの程度の意味を持つのかはわからないものの、混変調歪率と実効出力については、先発機種にもかかわらずA-X900は優れたパフォーマンスを示しているように見える。

 

 


少々前置きが長くなったが、より重要なA-X900の再生音について述べよう。

 

今般のプリメインアンプの入手は、あるシステムを組もうと計画してのことではないので、音を出すためには手持ちのスピーカーを繋ぐことになる。

 

それに用いたのは、SONYのハイファイコンポーネントシステム「MDピクシー DHC-MD373」付属のものとした(以下の画像、右から二番目)。

 

20210719-スピーカー

 

このスピーカーは、A-X900に対して価格・仕様とも役不足の感は否めないが、比較的素直な音を奏でてくれるため、アンプの特徴をよく現してくれるだろうと考えたのである。

 


初めに、サブソニック、ラウドネス、トーンコントロールなどを通さず、Gmセレクターもニュートラルな0dBを選択して鳴らしたところ、従来SONYのシステムとして響かせていた柔らかな音が、はっきりした輪郭を見せて朗々と響くようになった印象である。

 

次いでGmセレクターを中位の-6dBに変えると、音の透明度が向上。

 

特に、中高音は固より、低音のそれを明確に感じたのは、これまでで初めての経験だ。

 

また、各楽器の音像が鮮明化すると同時に、それとはなかなか両立しがたい性質である、音場の豊かさも増大したのも驚きだった。

 

最後に-12dBポジションを使ったが、この際は上の性格がさらに顕著となる。

 

ただ、「水清ければ魚棲まず」といった感じで、些か物足りなさを覚えるというのが正直な思いである。

 

 

さて、このようにアンプがいい音を聴かせてくれるとなると、これに紐付けるに相応しいスピーカーが欲しくなる。

 

価格的バランスからすれば、発売時の定価が10万円クラスのものが適当だろうけれど、これもやはり1万円程度で中古品を手に入れたいところだ。

 

そんな品の出るのを気長に待つことにしよう。

 


「Thelonious Monk Plays Duke Ellington」
01.It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)
02.Sophisticated Lady
03.I Got It Bad and That Ain't Good
04.Black and Tan Fantasy
05.Mood Indigo
06.I Let a Song Go Out of My Heart
07.Solitude
08.Caravan

 

20210719-Plays Duke Ellington

 

モーツァルト「ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219 "トルコ風"」
J.ハイフェッツ(vn)、s.M.サージェント(cond)、ロンドン新交響楽団・室内管弦楽団
第楽章 Allegro aperto
第楽章 Adagio
第楽章 Tempo di menuetto - Allegro