Victor製プリメインアンプA-X900に繋ぐスピーカーとして、「DIATONE DS-66EX」を入手した。
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これが発売されたのと同時期、DIATONEからはわずか2割程度高いだけの価格でクラスが一つ上の機種であるDS-77シリーズが出ており、他社ではONKYOが、D-77によってスピーカーの領域における598戦争の火蓋を切ったことは、よく知られた事実といえよう。
実は、私も当初、A-X900との仕様・価格バランスを考え、径30cm級ウーファーを具えた、一本の定価が6万円ほどのスピーカーとして、上記2モデルををターゲットに、例によって手頃な中古品を探していたのである。
それがどうしてDS-66EXになったのかというと、その理由は単純で、DS-77、D-77はいずれもかつて高い評価を博した製品ゆえ、中古市場にも結構な数が出てくるものの、同時にまた現在でも人気を保っており、私の設定した1万円程度という貧弱な予算にはなかなか収まって来なかったのだ。
もっとも、この予算はあくまでも目安で、仮に超えてしまってもいいと言えばいいのだけれど、よく知られている通り、DIATONE、ONKYOのスピーカーにはそれぞれ懸念材料があるのだ。
すなわち、前者については、元々低音が抑え気味の上、ダンプ材としてエッジに塗布されたビスコロイドが硬化しているものが多く、後者に関しては、経年劣化の激しいウレタンエッジを採用しているため、中古品はほぼ間違いなく原型をとどめていない、ということだ。
これらを考慮すると、やはり金額は上げたくなかった。
かといって、A-X900を長く独り身で置いておくのもどうかと思い、適当な代替機はないかと視線を変えたところ、DS-66EXが目に入ったのである。
これに搭載されているウーファーは27cm径と、本来の希望仕様を少し下回ってしまうが、上位機種の陰に隠れた感じのモデルだったこともあって現在目にすることは多くない一方、出た場合はかなり安価に入手できそうだった。
そして幸い――かどうかはまだ未定だが――、妥当な品をすぐ見つけることができて今回の購入に至ったのである。
ただ、些か気になる点もないではなかった。
一応の音出し確認は問題なしということだったが、商品を開梱し、一番気掛かりだったウーファー・エッジを中心にしっかりチェックしたところ、1986年3月の発売から既に35年が経過しているため、ユニットのフレームには錆(といっても赤錆ではなく、緑青のようなもの)が目立ち、DIATONEにお馴染みのエッジの全体的硬化に加え、片チャンネルの一部には波打ちと、ちょっとした破れも出ていた。
そして、やはり長らく使用やメンテをされていなかったようで、単にエッジが硬いだけではなく、そのの弾力性もほぼ消失しており、強めに押すと「みしッ」と嫌な音が響いた。
波打ちの方はというと、どうも右半周に亘ってビスコロイドが割れてしまっているらしい。
しかもよく見ると、コーンがフレームの中心から左へずれており、このため右はエッジが伸び、反対に左は詰まってしまっている。
どうやらこれが原因となって右半周のビスコロイドの割れを引き起こし、左半周のエッジには酷い硬化を来たしたと思われる。
この状態で音を出して大丈夫なのか?との不安はあったものの、それを確認せずには先へ進めないので、音量を控えめにして音楽を再生してみた。
このスピーカー本来の音を知らないため、正確な判断はできないものの、低音が全く響かないわけではない。
しかし、このサイズのユニットにしては量感が決定的に乏しいと言わざるを得ず、まずはやはりエッジ硬化を改善する必要がありそうだ。
これについては、さまざまな「軟化剤」の情報をネット上に多数見つけることができたので、まずは正統と思われる「DIATONEスピーカー用」と謳われていたエッジ軟化剤を購入。
プリメインアンプA-X900に続き、このスピーカーDS-66EXでもまた、B級オーディオの醍醐味を堪能できそうである。