蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

旧オーディオの音質改善

先日、納戸から引っ張り出して10年ぶりに鳴らしてみたものの、どうも納得のいく響きではなかった「SONY DHC-MD373」に対して、少々改善策を施してみた。

 


先ずは、接点の劣化を接点復活剤でケア――と言っても、手元にはなかったため、新たにKURE工業の「接点復活スプレー」を購入。

 

その選択に際し、初めは、明に「オーディオ用」を謳ったものや、同じKURE社製でも揮発性成分のみからなる「コンタクトスプレー」が望ましいだろうと考えたのだが、これらは幾分値が張るし、そもそも今回適用する部分は、オーディオ本体とスピーカーを繋ぐ部分だけで、いずれも外に露れているので、万一塗布して問題が起こっても拭き取ればいいだろう――と防錆成分も含まれた上記製品にした。

 

さて、そのスプレーを端子部に吹き掛け、少し置いた後にウェスで拭いてみたけれども、特に汚れが落ちた様子はなかった。

 

ただ、スプレー剤の付着したそのウェスで本体側のRCA端子を拭いたところ、それまでのくすみが取れて金属光沢が戻ったので、スプレーに洗浄力がないわけではなく、そもそもスピーカー端子がそれほど劣化していなかったということなのだろう。

 

実際、この処置後の試聴では、有意な変化は感じられなかった。

 

若干、音がクリアになったような気がしないでもないが、単なるプラセボ効果かもしれない。

 


次いで行ったのは――実はこちらをメインに考えていた――、スピーカーの下にインシュレーター(振動吸収材)を挟むことである。

 

これも手持ちのものはなかったので、どういうものが良いのかとあれこれ調べたものの、高価な製品を買って効果がなかったら悲しいし、今回はあくまでサブ環境の改善なので、取り敢えずお試し的なものでいいだろうという所へ落ち着き、それに沿う製品を探すことにした。

 

で、昨日外出したついでにダイソーへ寄ったところ、地震による家具の転倒を防止する「耐震マット」なるものが目につき、これが目的に叶いそうだったので購入。

 

耐震マット

 

スピーカー2台のそれぞれ四隅に貼るとなると8枚要るわけだが、カットできるようだし、ともかく試しでもあるので、一つだけ。

 

帰宅して早速封を開けてみると、思った以上にねっとりとした質感だ。

 

もっとも、耐震を謳っているのだから、これは当然かもしれない。

 

カットは対角線に沿ってハサミで行ったが、切りにくい素材であるのに加えて刃に纏い付き、やや手間がかかった。

 

その切ったものを両スピーカーの底面四隅に貼り、設置する際には、左右均等な位置に置くのに三度ほどやり直しが必要となり、その度にマットは置き面の方に残ってしまい、それを剥がしてスピーカー側に貼り直し、また設置――と、ここでも少々面倒を被った。

 

 

 

 


それも何とか済み、いよいよ音出しだ。

 

するとどうだろう、従来の緩んだような、締まりのない音とは全く別の、制動の効いた、引き締まった響きがスピーカーから流れ出てきた。

 

そもそも今回、このMD373は和室の地袋の上に直置きしたのだが、その地袋全体が巨大なスーパーウーファーとして機能し、音響を豊かにし過ぎて輪郭をぼかしてしまったらしい。

 

これは事前にある程度想定していた。

 

それに対し、スピーカーと地袋上面との間に耐震マットを挟んだことで、地袋内部への振動を抑えることができ、その結果顕著な音質改善となったのだと思う。

 

実際、「顕著な音質改善」である。

 


なお、振動を抑制するに当たり、何分非力なブックシェルフ型スピーカーゆえ、響きが殺がれ過ぎてスカスカな音になるのではないかという懸念を持っていたのだけれど、この耐震マットは元々振動の完全遮断を意図した製品ではなく、そのため適度に地袋を響かせてくれたようだ。

 

太鼓の歯切れもいいし、ベースのうねり感も申し分ない。

 

この点、もし防振性の高いオーディオ用インシュレーターを使ったら、あるいは上の懸念が現実のものとなったかもしれない。

 


以上、決して生産的な作業ではなく、成果も単なる自己満足に過ぎないが、気分は至極いい。

 

ただ、大きな問題が解消したことで、今度は高音域の伸びにやや欠けるのではないかという不満が出来。

 

これについても追って対処を試みたいと思う。

 

 

 

 


今日は、昨日までの寒さから一転、日中2℃台まで上がり暖かい一日となり、空も深い青を見せていた。

 

画像では小さくしか見えていないが、それを背景にした昼の月。

 

青い空に浮かぶ月

 


「男性ジャズ・ヴォーカル(2)―ジョニー・ハートマン、チェット・ベイカー」を投稿。

 

jazz-cafe.hatenablog.com

 

 

聴いた音楽は――

 

Red Garland「It's A Blue World」

 

01. This Can't Be Love
02. Since I Fell For You
03. Crazy Rhythm
04. STeach Me Tonight
05. It's A Blue World

 

It's A Blue World

 

Mozart「交響曲 第31番 ニ長調 K.297(300A) "Paris"」
Neville Marriner: Academy Of St. Martin In The Fields

 

第1楽章 Allegro Assai
第2楽章 Andante
第3楽章 Allegro