ちょっとした必要があって、古いASUS製ラップトップPC(EPC1215B)の電源を久しぶりに入れたところ、画面が真っ黒なままOS(Windows7)が起動しなかった。
インジケータを確認すると、電源およびwifi/bluetoothのものは点っているので、本体ハードウェアは動いているらしく、微かにファンの音も聞こえる一方、ハードディスク(HDD)へのアクセスが行われていない。
そこでBIOSを見てみようとしたのだが、これがそもそも起動しなくなっていた。
もうだいぶ前、デスクトップPCでこれと同様な事態に陥ったことがあり、その時は深く追求することもなく、「きっとマザーボードが駄目になったに違いない、復旧は無理だろう、」と考え、データさえ救出できればよいとハードディスクを取り出すことにした。
そして実際にこれに取り掛かると、パーツが筐体にぎっしりと詰まっていたためかなりの荒業となり、第一の目的は果たせたものの、元の機器はほとんどお釈迦にしてしまった。
しかし今般は何とかマシン自体を復旧させたく、少し調べた結果、BIOSの設定値を保存しているパーツであるCMOSの電池切れによりBIOSが起動不能となることもあり、どうもこれが原因である可能性が高そうに思われたことから、交換作業を行ってみることにした。
幸い、当該のCR2032リチウム電池は手元にあるので、あとは作業手順について参考になる記事はないかと探すと、まさに同じ機種に対する電池交換を紹介している次の動画が見つかった。
https://www.youtube.com/watch?v=l9B7YQlIFkA
これを見ればすべきことは一目瞭然なのだが、個人的備忘録としてその手順を一通り記しておこうと思う。
(0)先ずはこの手の作業をする際のお約束である、電源ケーブルがコンセントから抜かれていることを確認。
(1)底面のバッテリーパックを外し、内部に見えるねじを外す。
※以降においても少なからぬねじを外すこととなるが、全てが同じサイズというわけではないので、どの部分に使われていたものかがわかるようにしておいた方がよい。
(2)同じく底面にあるメモリーコンパートメントの蓋を開けてメモリーを外し、やはり内部に見えるねじを外す。
(3)パームレスト/タッチパッドを外す(リボンケーブルにが隠れているので、注意しながらこれも外す)。
(4)キーボードを外す(同上)。
※上のパームレスト/タッチパッドおよびキーボードはツメで留められており、外し方が悪いと折れてしまうが、そもそもどのような形で留められており、どう動かせばよいのかわからなかったため、成るように成れ――という気持ちで動画に倣って外したところ、やはり作業完了後はプラスティックの破片がいくつか残り、実際、キーボードの一部に浮きが出てしまった。
まあこれくらいの後遺症は仕方ないだろう。
(5)本体を覆う金属プレートのねじを外し、プレート自体も外す(右下の封印シールには、「これを破ったり剥がしたりすると保証は無効となる」と記載されている)。
(6)右下のリボンケーブルを外す(コネクタが押さえ式なので、押さえを上げてから抜く)。
(7)リボンケーブルに隠れていたCMOSからリチウム電池のケーブル(リード線)を外し、本体へねじ留めされているCMOS自体も外す。
(8)リチウム電池に巻かれている絶縁テープを切り開いて電池を取り出し、外縁リングを外す。
(9)新しい電池に外縁リングを嵌めた上、ケーブルの端子を電極に当て、ビニールテープで巻き留める(当然のことながら、極性を誤らないこと、および絶縁に注意)。
以上で交換は完了、あとは逆の手順で組み上げればよい。
今般の問題については、やはりこのCMOSの電池切れが原因で、新しいものに交換した結果、無事Windows7が起動するようになった。
慣れれば何と言うこともない作業には違いないが、分解に底面のねじを外す必要があるといった点にはなかなか気づかないだろうし、上の動画があって本当に助かった。
Grazie!