蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

スピーカー ALR Jordan Entry S

また1機種、スピーカーが増えた。

 

ALR Jordanの「Entry S」である。

 

20211016-ALR Jordan Entry S

 

この小型――超小型と言ってもよいかもしれない――スピーカーに対しては、以前から興味があり、オークションをはじめとする中古市場は定期的に眺めてきたのだけれど、それなりの値で出た時に限って何となく食指が動きを止めてしまい、何度か見送ってきた。

 

その障壁を乗り越えて今回購入に至ったのは、これを後押しするちょっとした事情があったためだ。

 


この4月、ビクター(Victor)のミニコンポDC-5500に付属したスピーカーである「SP-E5500」、およびすぐ続けてパナソニック(Panasonic)の業務用パワーアンプ「RAMSA WP-1100A」を、どちらもやはり中古で入手し、以来、両者を繋いで使用してきた。

 

これをメインに据えていた訳ではないこともあって、そのサウンドについては特に不満はなかったのだが、その後、いずれも安物ではあるものの、JBL、DIATONE、TANNOYといった有名どころの本格派もどきの音に接して耳が贅沢になったのか、SP-E5500の響きにやや物足りなさを感じるようになってきた。

 

当方の環境におけるこのスピーカーの特徴は、よく言えば軽やかで爽快、しかし裏を返せば、音に厚みが欠けて奥行き感に乏しく、平面的なのだ。

 

単体モデルではないのでその価格は不明だが、自重が1本6kgと、サイズの割に非常に軽いことを考えても、作りはお世辞にも良いとは言えず、かなり廉価なものに違いない。

 

片や、パワーアンプWP-1100Aの方は、販売当時の定価が税抜き118,000円、用途を考えてもかなりしっかりした製品であり、これでSP-E5500を鳴らしては少なからず相手が役不足に違いない――との思いが最近湧き出し、この気持ちが徐々に高まっている時、過去の実売価格に照らしても手頃な、送料を含めても1万円以内という値でEntry Sが出たことから、今般の購入となったのである。

 

 

 

 


届いた商品を開梱し、先ず印象的だったのは、そのサイズだ。

 

130W×215H×190D(mm)という数値は認識していたのだけれど、実物を目にすると想像していたより一回り小さく感じ、果たしてこれがしっかりと鳴ってくれるのだろうか――との不安を覚えたほどである。

 

しかし自重は1本2.7kgあり、こちらは数値同様、ずっしりと持つ手に応えて少し安心した。

 

 

さて、目視でチェックしたところ、ユニットには汚れや変形などもなく、ほぼ完全な状態だった一方、エンクロージャーの方は、やや汚れがあったため、早速クリーニングに着手した。

 

特に底面はかなり目立ったので、中性の食器用洗剤を含ませた濡れ雑巾で拭いてみたのだが、すっかり落とすことはできなかった。

 

しかし、あまり強く擦って木地を傷めては元も子もないし、そもそも普通のセッティングでは目に付くこともないことから、深追いはしなかった。

 

上面・側面にもやや黒ずみは残ってしまったものの、こちらも気にしないことにした。

 

サランネットは水洗いしてさっぱり。

 

ただ、片方にちょっとした毛羽立ちのある点は残念と言えば残念だ。

 

最後に端子に接点復活剤を噴射し、綿棒とクロスで余分な剤を落とすとともに磨いて、清掃は完了である。

 


音出しに問題はないとのことだったので、こちらはあまり心配はせず、WP-1100Aと接続して音楽を再生してみた。

 

すると聞こえてきたのは、これまでのSP-E5500とは異質な、実に深みのある音。

 

そのコンパクトな筐体からは信じられないほどの、臨場感あるサウンドが迸り出てきたことには、少なからず驚いた。

 

もう少し詳しいインプレッションを書きたいのは山々だが、先のDIATONE DS-66EXやTANNOY Revealでの経験により、このEntry Sも、その本領を評価するにはしばらくの鳴らし込みを行うべき、と考えるので、これについてはまた後日ご紹介したいと思う。

 


ただ、現時点でも、良い買い物だった、ということだけは言える。