BOSE 121WB(WestBorough)に対し、中古オーディオ機器の洗礼ともいえる機能確認とクリーニングを行った。
先日入手したスピーカー「SONY SS-G333ES」では、その重厚長大なボディのため開梱の際に大失敗をやらかしてしまったが、今般の121WBはみかん箱ほどの大きさの段ボールに入っており、何の問題もなく取り出すことができた。
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本来なら、先ずは重要事である機能確認から行うべきかもしれないが、この個体も簡易清掃すらされていないらしく、全体的にくすみが感じられ、しかしさッと一拭きすれば綺麗になりそうだったのでクリーニングから始めることにした。
予想した通り、そのくすみは長年に亘り纏ってきた埃によるもので、水拭きだけですっかり落ち、見違えるようにさっぱりした姿に変わった。
ただ、サイドパネルに施されたバーズアイメイプル調の塗装が一部剥がれており、地色との対照でそこが結構目立つ。
これを何とかしたいとは思うものの、かと言って費用をかけてまでというほどでもない。
さてどうしたものか、と暫し考えた末、手持ちの黒のビニールテープを貼ってみたところ、無論、塗装とは風合が全く違うのだけれど、先のコントラストは弱まって大分目立たなくなった。
さらに、塗装剥がれの進行の抑制にもなりそうなので、一先ずこれでよしとした。
スピーカーユニットや細かなところは絵筆で埃を払い、サランネットは例によって水洗いですっきり。
ただ、ネット中央部に付されたロゴプレートが傾いてしまっており、裏を見ると止め具が緩んでいたため、はじめはねじ式かと思って回してみたが、空回りするだけで埒が明かない。
何度か試した結果、止め具をロゴプレートに対して直交する位置にすることで固定された(cf. 前記事の画像)。
これに関しては、その後ネット上で拾った取扱説明書を見ると、「止め具を押し込んで固定する」と記されているが、当方の場合は上の処置で正解だったように思う。
最後に端子に接点復活剤を吹き掛け、それを綿棒で拭き取るとともに磨いてクリーニングは完了である。
さて、次はいよいよ機能確認、いつものことながら胸には期待と不安が入り混じる。
アンプに接続し、念のため音量を抑え気味にして音楽をかけると、微かに再生音が聞こえ出し、ボリュームを上げるとそれにつれて響きも大きくなった。
バランスつまみの操作も、しっかりとスピーカーは受け取っているようである。
先のSS-G333ESのようなマルチウェイスピーカーの場合、ユニットごとの出音チェックもするところだが、フルレンジモデルの121WBはこれで十分、最大の関門を通過してほっと胸を撫で下ろした。
しかし……
スピーカーから流れてくる音の、何とおとなしく優等生的なこと。
よく言えば至極均斉のとれた音色なのだが、些かその度が過ぎている印象を禁じ得ない。
これがボーズ121WB本来の性格なのか、それともリハビリテーション/エージングで変貌するのか――
興味あるところだ。