蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

オーディオ機器・電源コンセントの極性合わせ

ちょっと興味をそそられたアンプがあったので、その基本スペックや発売時期・価格などについてネットで調べた際、「オーディオ機器の電源プラグをコンセントに挿す向きを逆にしたら、音質が激変した、」との情報が目に付いた。

 

これまで、自分では電源プラグの向きなど気にしたことはなく、また、移動などに伴う挿し替えの前後で音の変化を感じた経験もないので、果たして本当にそんなことがあるのだろうか――とさらに他の情報も眺めたところ、どうやらこの種の問題の通例通り、大抵は気にするほどの相違はないものの、時として顕著な差が生じることもあり得る――らしいことが判明した。

 

実際、多くの場合に大きな差が生じるのであれば、メーカーなどもそれを重視し、取扱説明書やマニュアルに注意を喚起する文言を載せるはずだが、そうなってはいないのを見ても、上のように見做すのが妥当なところだと思う。

 

しかしながら、もしそれだけで少しでも音が向上するなら実施しない手はないわけで、遅れ馳せながら試してみることにした。

 


私はこれまで気付かなかったことを白状するが、電源コンセント(差し込み口)をよく見ると、左右で長さに微妙な差のあることが分かる。

 

そして、原則として左側の長い方がコールド(接地=アース)、短い右側がホット(非接地)となっているそうだ。

 

20210630-電源コンセント

 

ここで「原則として」などと付されるのは、家を建てる際、配線工事業者が誤って逆にしてしまう例も稀にあるから、とのこと。

 

一方、プラグの方は、コールドに挿す側の目印として、アース線が出ている・ケーブルにメーカー名などの印字がある・プラグの根本周辺に△や□、数字などが記されている……などと、さまざまなケースがあるようで、これらはすべて当方でも実際に目視できた。

 

また、海外製品にはまったくの無印というものもある。

 

 

 

 


本来なら、最初に電源コンセントの極性確認から行うべきだが、そのための検電ドライバーやテスターといった器具は手元にないし、その上、もう一方のケーブル・プラグ側は完全に正しいのか?との疑問も払拭できない。

 

実際、以前、RCA(ピン)端子のステレオ・ラインケーブルで、それを指定通り使用すると左右の音が逆に出るものが一時出回った例も知っている。

 

このような事情もあって、厳密な確認の上でマッチングを行うのはさすがに手間暇が掛かりすぎるし、そもそも目的は極性マッチングそのものではなく、「良い音での音楽再生」なので、最終的には耳が判断基準となるのであるから、取り敢えずはオーディオ機器、コンセントとも仕様通りと仮定して極性を合わせてみることにした。

 


先ず現状を確認したところ、当方、いくつかのオーディオ・システムを使用しているのだが、偶然にも、すべて「極性の合った」挿し方だった。

 

そこで試しに、各システムの電源プラグを逆向きに挿し替えて聴いてみたのだが、幸か不幸か、当方の電源設備、使用機器、そして私の聴覚の下では、ネット上に紹介されていたような「音質の激変」はなかった。

 

強いて言えば、極性の合っていない挿し方では、低音のふくらみが若干抑えられる感じがないでもない。

 

しかし、「音が痩せた」と書けば悪く聞こえる一方、「引き締まった」とも表現できる訳で、良し悪しではなく、好悪の問題に過ぎない程度の違いである。

 


結局、これならわざわざ器具を調達してまで厳密な確認・マッチングを行う必要はない――と元の挿し方に戻したのだが、考えようによっては、大して差がないなら、正統なものに従った方が気分的にすっきりする――とも言える。

 

また、仮に音質の激変があったとして、自分の嗜好が異端に向いていたとしたら、それはそれで悩ましいに違いない。

 

このようなことに囚われ、気にし過ぎて煩悶する状態も、所謂「オーディオの泥沼」の一様相なのだろう。

 

そんな煉獄に陥らないよう、十分注意したいと思う。