この冬は例年にない多雪で、家の東側は屋根からの度重なる落雪ですっかり埋ってしまった。
もちろん正確に測ったりなどしなかったものの、壁面から土地の斜面までの約2mの幅に、雪は3m近くの高さに積み上がってしまったように思う。
これだけの雪が融けて完全に消えるのは、もしかしたら7月になるかもしれない――と思っていたのだが、厳しかった冬のあと訪れた春もまた力に満ちており、それが急速に雪を減らした。
そして今朝、雨戸を開けたところ、歴の上で夏の立った昨日立夏の時点でほんの一筋残るだけとなっていた雪は、すっかり見えなくなっていた。
このように残雪の消えることを表す言葉は何かあったろうか?と記憶の糸を手繰ってみたが見当たらなかったので、ちょっと調べてみたところ、「雪消え」というのが目に入った。
現象そのままの謂で、別段深い由来を持つものでも、凝った表現でもないけれど、そこはかとない風情を感じるのは不思議だ。